ごあいさつ
神奈川歯科大学大学院では、平成24年~26年の3年間、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(S1203004)の一環として、災害時の歯科医療の充実を目指しこれまで遅れていた災害医療歯科学を強力に推進することを目標とした、横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センターを設立しました。センターでは、神奈川歯科大学の教員だけでなく広く様々な分野の研究者の方にも参画していただき、30のプロジェクト研究が行われ多くの業績を発信しました。支援事業終了後もいくつかのプロジェクトは継続され、現在はこれらの研究を基に、横須賀市や横須賀市歯科医師会を初めとした地域の皆様との連携で新たな事業を推進し地域に貢献しております。
今後ともご支援ご協力をお願い申し上げます。
研究センター長 山田 良広
〈センターの目的と意義〉
東日本大震災において、歯科医が様々な現場で貢献していたことは余り知られていません。 特に、災害直後には歯が身元確認に大きく貢献しました。 また、震災時に義歯を紛失した方が非常に多く、避難所生活で食事に困難をきたす状況の改善のためにも、歯科医が活動しました。しかし、これらの活動は充分準備されたものではなく、場当たり的に行われたのが実情で、災害時の歯科医療のあり方を総合的に研究することは 緊急かつ重要な課題となっています。特に、横須賀・三浦半島湘南地域は活断層の集中地帯であり、以前より地震発生の確率は大きく高まっています。 また、横須賀市内には原子力空母の寄港だけでなく原子力関連施設もあるなど、この地域の特性を考慮した災害歯科医療研究と人材育成が必要です。本研究センターは、災害時の歯科医療を総合的に調査研究し災害医療歯科学という新しい学問の形成を行うことを目的として設立されました。 災害に対して即戦力となる歯科医の養成を目指した拠点整備を行い、災害に強い地域作りに貢献するという面でも大きな意義を持っています。本研究事業は、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択されています。